特殊造形アート「Karma -業-」制作過程をご紹介

特殊造形アート

2017年初頭、 特殊造形アート 「Karma ー業ー」 を制作。

 

特殊造形アート

【Karma ー業ー】

H865 × W720 × D325

 

テーマは「因果応報」。

この特殊造形アートは最初からこのような形に作ると想定していたものではありませんでした。

初めに制作した部分は中央にある顔からで、これは弊社特殊造形スクールのイベント「彫刻コンテスト」から始まりました。

当時この彫刻コンテストでは自由廊の社員と生徒全員合同で6時間で一つのキャラクターを彫刻するというものでした。

現在は人数と仕事のスケジュール関係で開催出来なくなってしまいましたが、

多人数で一斉に彫刻をするという機会は滅多にありませんのでとても面白い体験です。

また開催したいですね。

 

彫刻コンテスト

 

私が制作した彫刻の写真・・・、があればわかりやすかったのですが行方不明です。

その作った彫刻の顔をその後ブラッシュアップさせて完成しました。

 

 

 

閻魔の顔

 

彫刻

この顔は「閻魔大王」をテーマにしています。

如何なる時でも悪行を監視し制裁を下す者の象徴として彫刻していきました。

 

NSPクレイのミディアムを使用して彫刻しています。

色の違う部分はウレタンレジンのキャストを粘土色に着色してはめています。

 

 

彫刻

型取りをして色を付けたポリエステル樹脂で成形した状態です。

そして塗装に入っていきます。

 

 

当初はここまででとりあえず完成だったのですが、顔だけでは世界観を表現するのが難しいと感じていました。

なので背景を造形で作ってしまおうと計画します。

そしてここからがとても長い時間を費やした特殊造形制作に突入していくのです。

 

 

 

 

炎のパーツを制作

 

閻魔大王の王冠をイメージさせた煉獄の炎の王冠を作っていきます。

 

 

次に顔の下部の炎を作ります。

彫刻

粘土はNSPクレイミディアム。

かなり複雑で入りくんだ形で彫刻していきました。

この時期はちょうど丈夫な付加型の型取りシリコンを使い始めていたので、

ここまで複雑な形でも綺麗に型取りが出来るのかチャレンジしながら型取っていきました。

 

型取り

黒く着色したシリコンです。

この型は分割せずに型取り、数カ所に切れ込みを入れて脱型しやすくしてあります。

 

レジン

そして次に赤く着色したレジンで成形していきます。

 

成形

脱型したばかりなのでバリがついた状態です。

いろんな赤色のレジンを何層か重ねて成形しています。

 

レジン

いらないバリを綺麗に取って完成です!

 

 

次に閻魔の横で燃えている顔2体を制作します。

制裁を受けているイメージとしてのパーツになります。

 

まずは粘土で顔の彫刻をしていきます。

 

ゾンビ

 

ゾンビ

顔のイメージが決まったところでこの周りに炎を彫刻していきます。

 

彫刻

 

造形

 

 

 

これで4つのパーツが出来上がったので背景をイメージさせるためにバランスを決めていきます。

 

特殊造形

 

 

組んでみて最終的に背景を全て造形で埋めたいと思い、箱を作って中に収めようと考えました。

 

造形

完成写真からは伝わりませんが奥行のパース感を表現させたかったので、

箱を単に四角ではなく前方に広がるように作りました。

 

 

特殊造形

 

 

背景パーツ制作

ここから背景を埋めていく造形パーツをどんどん作っていきます。

一応いろんな人種をベースに作っていきました。

 

ゾンビ

 

 

ゾンビ

 

 

彫刻

 

 

 

彫刻

 

 

 

彫刻

パニッシュメントされたキャラクターをどんどん作ります。

 

 

スカル

肉が焼け落ち骨になった状態の顔も入れ込みます。

 

 

 

レジン

こちらはレジンで作った魂をイメージした球体です。

 

 

レジン

サイズの大きい魂も制作。

この球体はいろんな色で作った先ほどの小さい球体を砕き、大きいサイズの球体に合体させて作りました。

 

 

背景の煉獄の炎

 

ここまでに作ったパーツを組み込んでいくためにそれぞれを炎で繋ぎ合わせていきます。

 

特殊造形

この背景の炎は軽い紙粘土で土台を作り、部分的に石粉粘土で彫刻しています。

普段はNSPクレイをよく使用しているので、別の粘土での彫刻はなかなか難しいですね。

(背景の炎は形的に型取りが難しいので盛り付けて自然に固まる粘土にしています。)

 

特殊造形アート

ある程度作っては色を同じにして、足りない形を補っていくように彫刻していきました。

 

特殊造形

各パーツの配置もこの辺りで確定していきます。

 

 

木枠

木枠の輪郭のボリュームが物足りなかったので枠を太くし、装飾木枠を取り付け。

装飾木枠にはそれぞれ天然石を埋め込んで豪華さを追加。

 

 

完成!

 

特殊造形アート

そしてこのように完成となります。

机の高さギリギリ、ここは普段の仕事机でもあります・・・、

作っている時はかなりスペースを取られながら仕事をしていました(笑)

 

 

以上のようにかなりのパーツ数で作り物が多かったので制作は大変でした(笑)

今まではキャラクターの顔だけで特殊造形アートを作っていましたが、

やはり背景があるとさらに見応えが増えて良いですね。

 

 

最後にいろんなアングルからの写真を載せておきます。

(照明の具合で少し色が変化しています。)

 

特殊造形アート

 

 

特殊造形アート

 

 

特殊造形

 

 

特殊造形アート

 

それでは! ーGoushiー

特殊造形アート

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です