特殊造形とは、想像出来る形であればほぼ全てを立体に起こすことが可能な技術です。

アイデアと応用で何でも形に出来る 造形 技術でありますが、

その中で細部にまでこだわってリアリティを追求出来る分野は、

制作側にとって とてもやり甲斐のあるものです。

それがタイトルにある「リアル等身大フィギュア」という一つの分野になります。

この呼び名は特に確定されたものはありませんが、

よくエンタメニュース等で記載される表現です。

昔から一応ダミーやダミーヘッドと呼ばれていますが、

現在ではもう少し幅広い用途があるのでしっくりくる別の呼び名を浸透させたいところではあります・・・。

リアルフィギュアは言葉通り本物そっくりに、そしてリアルな人間の造形物を作るジャンルになります。

特殊造形 の業界ではこのジャンルは元々、

映画などのアクターが危険なシーンの代わりを務めるための造形物でありました。

爆破される肉体や、凶器で攻撃されるシーン等昔はよく使用されていました。

ですが近年では映像作品だけに留まらず、

イベントにて目で楽しむ造形物であったり、

アート作品にも応用して、よりエンターテイメントなものに変化しています。

特殊造形をやっていく中で私もこの分野はとても楽しい作業であり、奥深い世界だと思っています。

それでは今回、

このリアル等身大フィギュアの詳細について紹介していきたいと思います。

まずはリアル等身大フィギュアの様々な用途を紹介していきます。

リアル等身大フィギュアにはこれと決まった使用方法はなく、

仕事の内容によってアイデア次第で自由に活用することが出来ます。

今回は今までに経験してきた用途を主体にしてご紹介したいと思います。

有名人の代わりを務めるリアルフィギュア 造形

著名人が商品などのイメージキャラクターを勤めている場合、

新商品が発売されると全国各地に宣伝イベントが行われます。

イメージキャラクターであるご本人が各地を回ってしまうのは色々な影響が出てしまうため、

代わりにリアルフィギュアが宣伝をサポートしていきます。

リアルフィギュア 造形 になる場合の利点は、

そのフィギュアがフォトスタンドとして活躍します。

SNSでの宣伝には有効的です。

東京スカイツリーでのマイケルジャクソン展用リアルフィギュア（樹脂製）

こちらの衣装も全て一からの制作です。

錦織圭等身大フィギュア

映画などの映像作品に使用する 造形

こちらは死体ダミー用の 造形 になります。

口の中まで映る設定なのでしっかりと制作していきました。

映像作品によっては皮膚の中にメカニカルを入れて可動させたりすることもあります。

特殊造形業界では一番オーソドックスな使用方法でもあります。

こちらはフィギュアではありませんが、

その技術を応用して装着して変身できるリアルマスクという 造形 物です。

リアルマスクはテレビ番組でもよく使用され一時期需要がかなり増え、

一年中顔を作っていた年もありました。

視界は目の中心に穴が開いているのでそこから見ることが出来ます。

実際にご本人の顔の型を取りますので皮膚の質感なども限りなく再現可能です。

TED × Haneda

うちの社長であるAmazing JIROがTEDというスピーチイベントに参加した時のリアルマスクです。

アンドロイド 造形

日本テレビ企画「マツコとマツコ」という番組用制作したマツコロイドというアンドロイド 造形 です。

造形 制作は「アンドロイド制作会社 A-lab」と「自由廊」の共作になります。

普通のリアルフギュアと違い制作工程は難易度が格段に上がる造形です。

メカとシリコーンスキンの動きの調整が一番難しいポイントであり、今後も色々な角度で検証していきます。

遠隔操作や本人の声室と同じように話すことが出来るシステムや見ている景色を動画で収めるような機能が入っています。

メカの技術が発展した時はこれからさらに可動範囲も増えるので今後の行く末も期待大な分野です。

イベントでの展示

フジテレビ企画「ドラゴンボールで科学する」人造人間１８号

アニマトロニクスにより目の可動機能があります。

実際の人物ではありませんが、アニメとリアルの良いバランスを探しながら 造形 していきました。

日本はアニメ大国なのでこれからもいろんな立体化企画を期待しています。

人ではありませんがこちらも同じような技術で 造形 したフリーザの等身大フィギュアです。

中にアニマトロニクスが入っているので表情が動きます。

ドラゴンボールは幼い頃からよく見ていた作品なので、より意欲的に仕事が出来ましたね。

ただ、フリーザは戦闘力が有名なだけあって 造形 作業も本当に手強いものでした。笑

こちらのイベントはドラゴンボールの映画イベントと合わせて展示されていますので、

今後見かける機会があればじっくりと見て頂けると嬉しいです。

海外ドラマ「ターミネーター　サラコナークロニクルズ」宣伝イベント用

浜松市　徳川家康公像＆豊臣秀吉公像　Statue

浜松城『甦る！若き日の家康公展』 徳川家康公3D肖像 Tokugawa Ieyasu 3D portrait

アート 造形 作品

自由廊スタッフ個人作品　スターウォーズキャラクター「若き頃のヨーダ」と「レイ 」

こちらはコレクター向けに制作したリアルフィギュアです。（樹脂製）

純粋にアートとして 造形 を楽しむ目的で使用します。

昨年、特殊メイクアーティストとしてアカデミー賞を受賞した辻一弘氏 の作品は有名ですよね。

特殊造形の技術でアート界に参入し、あれほどまで評価を収められているというのは、

業界にとってのロールモデルな存在です。

私も資金があれば購入して毎日鑑賞していたいほど魅了される造形 アートです。

余談ですが、

私はアメリカの俳優ロン・パールマンが大好きで、

時が来たら自分用にリアル胸像を制作する計画を立てております。笑

いつかまた工程を載せていきたいですね。

リアルフィギュア 造形 の彫刻と細部のディテール

リアルフィギュアを 造形 していく最初の工程はやはり粘土での彫刻から入ります。

ここでリアリティがある彫刻表現が出来るかどうかで決まっていきますのでとても大事な工程です。

人の顔は普段何気なく目にしているよりも様々な形があり、

さらに人それぞれの特徴があるので彫刻を極めるにはとても時間のかかる技術になります。

難しい技術なのですが私はこの作業が一番面白くやり続けていきたいことでもあります。

この彫刻段階で限りなくリアルを追求することにより、

後々の工程でさらにリアリティを追加することが出来てきます。

義眼などもリアリティを感じさせるための大事な要素なので、

しっかりと作り込みリアルを追求していきます。

特に虹彩の輪郭の透け感を最重要視して作っています。

これはアインシュタインのリアルマスク用の舌パーツです。

シリコーン製なので柔らかく感触もリアルに制作。

髪の毛などは一本一本植毛していきます。

これがなかなか大変な作業なのです。

頭髪が全て植え終わり、スタイリング前の状態です。

他にも工程はありますが、様々な工程を経て形にしていきます。

１体制作するにあたり、およそ１ヶ月半〜２ヶ月はかかる 造形 制作になります。

以上がリアル等身大フィギュアの紹介でした！

この分野は特殊造形技術の中でも技術レベルの高い 造形 作品です。

出来上がったものを見る以上に様々な技術が詰め込まれた分野になっています。

なかなか実際に目にすることは少ないと思いますが、

見かけた際は隅々まで観察して楽しんで頂けたら幸いです。

それでは、良い 造形 ライフを！ ーGoushiー