これだけは揃えておきたい粘土造形 彫刻ツール 紹介

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粘土で造形をするときには 彫刻ツール というものが必要になります。

この彫刻ツールで粘土を削ったり盛ったりして形を作っていきます。

人によって使っている彫刻ツールの形は様々で、国が違えばまたさらにいろんな形のものが売っています。

 

始めたばかりの頃の粘土造形の道具選びは楽しみの一つでもあるかと思います。

私も当初は画材屋などで面白そうな彫刻ツールを発見しては買ってみたりよくしていました。

 

しかし売っている彫刻ツールのほとんどが使いにくかったり、どこに使うのかよくわからないようなものも多くあります。

粘土造形は道具が全てではありませんが、特定の彫刻ツールが無いと作れない形があるのも事実なので道具選びも大切になってきます。

 

今回は粘土造形をするために私がオススメする彫刻ツールを紹介していきたいと思います。

 

 

 

彫刻ツール メインセット7本

彫刻ツール

 

私が今まで造形してきた中で常にメインとして活躍している彫刻ツールになります。

 

基本的な彫刻ツールの選び方はどんなサイズのものを作るのかだったり、どんな形を作るのかで決めていきます。

私の場合は人間サイズの造形が多く、たまに6分の1ほどのフィギュア、または2メートルくらいのものまであったりします。

画材屋などでよく市販されている彫刻ツールのほとんどは人間サイズくらいのものに適したものが多いように思います。

上の写真の彫刻ツールは基本的に人間サイズでよく使用していますが、造形サイズが変われば彫刻ツールも変更していきます。

 

 

この7本が私のメインツールなのですが、さらにこの中でもよく使用するものがあります。

 

ちなみにどの彫刻ツールだと思いますか?

初めのうちはその1本しか使わないくらい大事になっているツールがあります。

 

それは真ん中の方にある銅(赤っぽい色)の持ち手の彫刻ツールです。

これは私が作ったもので、他にその左2本も自作ツールになります。

 

 

彫刻ツール選定基準① サイズ

ここで彫刻ツールを選ぶポイントですが、造形はその人によって作る大きさが違うので、

その造形に合ったサイズ感の彫刻ツールを自分で作ることが望ましいです。

現に次によく使うものは銅持ち手の左側2本、真鍮の持ち手の彫刻ツールです。

やはり彫刻ツールというのはサイズが合っていないと思うように形が作れないのでサイズ選定は大切になります。

 

彫刻ツール選定基準② 素材

サイズの次に選んでいくものは粘土を削る部分の素材になります。

市販のものが使いにくい理由はサイズ問題というよりは素材の方が大きいかもしれません。

 

彫刻で使いやすい素材は人それぞれありますがよく使用されているものでは、

糸鋸の刃、針金、ピアノ線、ギターの弦などがあります。

ちなみに持ち手は木材でも銅でも真鍮でもアルミでも何でも大丈夫です。

私はツールボックスの中から見つけやすいように色を分けて選んでいます。

 

特に糸鋸の刃はよく使用し、この銅持ち手の彫刻ツールも糸鋸の刃です。

 

それではメイン彫刻ツールをそれぞれに分けて紹介していきたいと思います。

 

 

KEMPER TOOLS(ケンパーツール)

ケンパーツール

まずは造形業界で有名なメーカーであるケンパーツール製のものです。

こちらは市販されているツールで特にこの2本は耐久性と実用性を兼ね備えた使いやすい彫刻ツールになっています。

 

彫刻ツールの先端の形は基本、三角形と丸形が使いやすく、この2本も絶妙な丸さで本当に使いやすいです。

長年使用しているといつかは折れてしまうことがありますが私は2年くらいは保っています。

先端の金属部分も良いのですが、反対側のヘラになっている部分もこのツールの特徴です。

粘土を指で盛るには難しい場所や細かい隙間などを、このようなヘラ状のツールで盛ったり整えたり出来ます。

 

このケンパーツールは製作ラインの関係なのかわからないのですが購入時期により、

ヘラ部分の形や厚みが違うので毎回ここも自分に使いやすい形状に加工してから使用しています。

 

 

kemper tools

写真の右側2本もケンパーツール製のものです。

他にもいろんな先端の形がありますが基本丸か三角があればある程度対応出来ます。

この彫刻ツールは頑丈に出来ているので粘土をガツガツ掘っていくのに使っています。

穴を開けたり、線を引いたりなどこの2本も使いやすいツールになります。

 

ケンパーツールは海外製品ですが日本でも購入可能です。

➡︎➡︎➡︎ http://hunterkillerstudio.com/storej.html

 

 

糸鋸の刃を使った彫刻ツール

彫刻ツール

大分ダメージが入っていますが・・・、この自作ツールが特におすすめになっています。

自作というと少しハードルがあるように思うかもしれませんが作るのは簡単です。

ホームセンターなどで売っている糸鋸の刃を曲げて金属パイプに固定するだけで出来上がります。

 

糸鋸の刃の刃幅の種類は沢山ありますがここも人によって好みが分かれますので、

まずはいろいろ使ってみて自分に合うものを選んでいくと良いと思います。

私の場合は細かめの刃幅で、さらに刃先を少し削って平らにしています。

こうすることで削ったときの粘土の削りカスが出にくくなります。

 

 

針金を使った彫刻ツール

こちらは針金2本を巻きつけて1本にした彫刻ツールです。

針金を選ぶときはあまり曲がりやすい針金を選ばないように注意します。

先端の形は丸か三角が使いやすいと書きましたが、さらにいうと少し扇形に変形させて使っています。

丸形より扇形の方が削ったときに粘土表面に当たる幅が増えます。このあたりは好みで良いと思います。

 

細かい形を削るためのツールは細い針金だと強度が低いのでピアノ線などのしっかりした強度のもの使用すると良いです。

(写真の下、右側がピアノ線で出来たツールです。)

 

針金自体はそこまで固い素材ではないので力強く削ったりするツールではありません。

ある程度形が出てきた段階で中間的な形を整えていくときに使用していきます。

 

 

自作ツールの注意点

自作ツールは構造も簡単で、素材も正規の使い方ではないため寿命が短いというデメリットがあります。

急いで彫刻していたり、力強くガツガツ削っているとツール自体にダメージが蓄積して糸鋸の刃も針金も折れたり、切れたりしてしまいます。

普通に丁寧に使っていてもダメージは少しづつ溜まっていきますので市販のツールよりは寿命が短くなってしまいます。

 

 

以上が私のメイン彫刻ツールセットになります。

そして次に、他に持っておくと便利なツールも紹介していきます。

 

 

あると便利な彫刻ツール

ケンパーツール

ケンパーツール製。

主に大きく削るときに使います。

ステンレスで出来た糸鋸の刃のようになっていて使いやすく、かなり丈夫なツールです。

サイズが大きいものを作るときにはかかせません。

他にもいろんな先端の形があります。

 

 

ステンレス製のヘラ。

ホームセンターで購入出来ます。

これは粘土をカットしたりといろいろな用途に使います。

 

 

筆

いろんなサイズの筆。

これは彫刻ツールで削った跡をならすために使用します。

私が使用する粘土はNSP Clayというもので油粘土になります。

油粘土の表面をならす溶剤があり、その溶剤を筆に付けてならしていきます。

粘土に使う筆は100円ショップなどで売っている安い筆で大丈夫です。

彫刻によっては力強くならしていくことがあるのですぐに痛みがちになります。

 

NSP Clayについてはこちら。

NSP Clay

特殊造形の彫刻にはNSPモデリングクレイが最適!

2018年4月20日

 

 

チップブラシ

チップブラシ。

これも粘土をならすのに使っていきます。

筆よりも粗めにならすことが出来るので造形の中間作業でよく使用します。

この写真のものは海外製ですが、日本では豚毛の刷毛として販売されています。

ホームセンターの塗装コーナーや画材屋で売っています。

 

 

初めはいろんな彫刻ツールを試してみよう

nsp clay

以上が私がオススメする彫刻ツールになります。

もちろん他にも沢山ありますのでまた次回変わったツールも含めて紹介していきたいと思います。

 

オススメとして書いてはいますがやはり人によって好みは必ずありますので、

最初はいろんなものを試してみるのが良いですね。

 

 

最後に以前 NSP Clay で造形したものを載せておきます。

NSP Clay

特殊メイク用マスク。

 

それでは! ーGoushiー

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12 件のコメント

    • 私が持っているキャリパーは東京新宿にある世界堂で購入したものになります。

      通販でも沢山ありますが、画材屋さんで探すとなるとToolsというお店にも置いていたと思います。

      外パスというワードでも検索出来ます。

    • Bushiさん
      返信遅くなりました。
      油粘土を慣らす溶剤は色々あります。
      私が使用しているものは、ヘキサン(強)、プロパノール・IPA(中)、変性エタノール99%(弱)、消毒用エタノール約75%(弱)を使い分けています。
      もしお調べになり、入手が難しい場合は画材屋で販売している油絵の具用のシンナー系も使用出来ます、臭いですが。

  • 溶剤の回答有難うございました。
    1/3ヘッドくらいの顔面を作る際の瞼の加工ですが、薄く細く作れません。
    ヘラで押し付けて形を作っても粘土を細く丸めてみても、がたがた、ウネウネです。
    上手く作るのは練習あるのみでしょうか?

    • Bushiさん
      Bushiさんの彫刻がどのような状態であるか見てみないとというのはありますが、
      総合的にみますと練習あるのみなのですが一応彫刻方法はあります。
      粘土を盛り付けた後はガタガタしているものですので、
      ①ヘラで押したり伸ばしたりして整える
      ②かなり細いピアノ線又はステンレス線で作った粘土ツールで削って整える
      (輪っか状、先が尖った形など使いやすい形に作成)
      という2パターンが主流になります。
      ちなみに溶剤はツールで整えた後に使用するのをお勧めします。

  • やはり・・練習あるのみですね。

    まだまだへたくそですのでかなり細いツールで削って整えるという点が課題です。
    試行錯誤してみます。有難うございました。

    • Bushiさん

      この部分は慣れもありますので、色々とトライしてみて下さい(^^
      また何かありましたらいつでも!

  • 初めまして
    彫刻手順についてお聞きしたくコメントさせて頂きます。

    弦ツールと糸鋸ツールはどのような
    タイミングで使用していますか?

    nsp mediumを使用しています。

    • kumaさん
      初めまして。
      私の場合ですが、
      最初にブロッキング、ブロックアウトという工程で始まり、
      手だけで目標の大まかな形をなんとなく彫刻します。

      そのあとに手では掘りづらい箇所を専用のツールを使用していくという感じです。
      特に糸鋸ツールや針金で巻き合わせたツールは普通のつるっとしたワイヤーツールよりも削りやすくコントロールしやすいですね。

      それと指での慣らしや各ツールでの慣らしでは表面の整い方が違いますので、
      その形に合った方法を選ぶ必要があります。

  • goushiさん
    ご返事ありがとうございます。

    彫刻が好きで
    色々と悩んでいた事だったので
    すごく参考になりました。
    彫刻は奥が深いですね!
    ありがとうございます!!

    • kumaさん

      基本的には何を使ってもその人なりに出来れば大丈夫なので一通りトライしてみて下さい(^^
      最近の私の流行りは細いヘラ状のツールで形を整えていくのが多いです。

      また何かありましたら。

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