ポリへドロンマンに新しい仲間たちを誕生させました。
今作のテーマは「七つの大罪」です。
7つあるうちのまず紹介する1つ目は、怒りに満ちた表情をしている「憤怒のポリへドロンマン」になります。
ノーマルなポリへドロンマンについてはこちらです↓
七つの大罪とは、、、
傲慢 Pride(プライド)
強欲 Greed(グリード)
嫉妬 Envy(エンヴィー)
憤怒 Wrath(ラース)
色欲 Lust(ラスト)
暴食 Gluttony(グラトニー)
怠惰 Sloth(スロース)
という人間が陥りやすい7種類の負の面を戒めとして表したものです。
「七つの大罪」というテーマは皆さんにとってはどのような印象ですか?
人同士日々生きていく中で自分を含めいろんな感情や欲望を目の当たりにすると思います。
それは幸福感や目標に向かう力など生きる希望の土台になるものが感情欲望ですが、状況次第では逆に不幸なことにもなり得る表裏一体のものです。
感情と欲望のもつれはコミュニケーショントラブルを生み、どんな場所でも日常的にあり誰もが必ず経験することです。
世の中のあらゆる人間関係トラブルの多くは片一方の負の感情と欲望が原因となり発生します。
人間関係トラブルの恐いところは行き過ぎてしまうと元に戻れなくなってしまうこと。
本来平和に生きようと思うとその環境ごとに辻褄を合わせるように理性的に物事を判断、選択していくことがベストだと思います。
その辻褄を合わせずにいると誰かしらが犠牲になっていたり、尊厳を軽く見られたと捉えられることもあります。
さらに酷なことはその犠牲には気付かずに進んでしまうことも多いです。
蓄積した遺恨は人間の歴史において大変な事態を引き起こしていますよね。
なので私はいつも自分自身や他人でもトラブルがあるとどこが原因の根幹になっているのかを小さなことでもなるべく解消させながら生きています。
そういったトラブルの原因を考えていくと今回テーマに選んだ「七つの大罪」はとても分かりやすく人間の陥りやすい負の感情欲望をまとめてくれています。
全てのコミュニケーショントラブルの原因は、傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰という感情欲望から引き起こされていて、1種類の感情というよりは2種類以上の複合的なことでトラブルになっていくパターンが多いと思います。
傲慢、強欲、嫉妬は特に身近なもので片一方の欲望から始まることが多くトラブルに発展しやすいです。
怒り(憤怒)は自発的ではなく何かしらの事象による反射と反応です。
色欲、暴食は人によっては簡単に抑えられる人もいますが、全く歯止めが効かない人もいたりと人によっては厄介な欲です。
そしてこの中でも「怠惰」は誰しもが一番多く持つ感情で一番厄介なものだと思います。
「面倒臭い」というシンプルで分かりやすく常にある感情なので解消が難しいからです。
怠惰についてはまた怠惰verのポリへドロンマンでも綴っていきたいと思います。
コミュニケーショントラブルが起こったとき修復に動こうと事の辻褄を後で合わせるように仲直りをしようとしても一度見せてしまった行き過ぎた感情は相手にとってはメンタルブロックとして違和感が残ることが多いです。
人は理性的解決を考える前にどう足掻いても感情の生き物なので、劇的な感情のダメージにはいくら正しい理屈があっても覆らない恐ろしさが感情というものにはあると思います。
ポリへドロンマン 七つの大罪シリーズは自分を律するという戒めを込めたコンセプトでもあります。
感情は幸せも不幸も体感出来るまさに使い方?次第な人間の面白い特徴です。
私はこの面白みと違和感にずっと興味を持ち続けていて、今回ようやく作品に落とし込むことが出来ました。
それではこのあたりでそろそろ、憤怒のポリへドロンマン紹介に移ります!
憤怒のポリへドロンマン
「Polyhedron Man, the WRATH」
通常のポリへドロンマンよりもフォルムがソリッドになり、曖昧な形を無くすことでフォルムも捉えやすくなりました。
七つの大罪シリーズの後ろ面は後頭部をスパッと切り落としたアートフォルムにしています。
憤怒について
憤怒というのは普通の怒りとは違い、復讐したいほど収まりのつかない怒りのこと。
怒りレベルの最上級という感じです。
憤怒するほどの感情はさすがに日常的にはレアですが、最悪は殺人にまで至る本当に取り返しのつかない感情でもあります。
牛の刻参りなんてものも憤怒の行く末の一つですよね笑
この七つの負の感情というのはそもそも人間に基本セットされている装備の一部のようなものです。
この装備無くして人間ではないとも捉えられます。
ですが人はその強く出た負の感情には嫌悪感を抱いてしまいます。
人間であるべき基本装備なのにその全てを受け入れられない事実は私は本当に興味深く面白いことと感じます。
何でもそうですがやはりバランスを取るということの大切さが改めてわかります。
憤怒だけではありませんが負の感情が強く出る原因をさらに探っていくとそこには「悲しい」という感情が発端になっていると思います。
いきなり怒りの感情が出るわけではなく、まずは悲しい状況に出会うとそれを解消するために反射的に出現するといった感じです。
近年よくアンガーマネジメントというメンタル法がありますが、これは怒りのボルテージが上がりすぎる前に一呼吸置いてその悲しさの原因と解決策を考えて解消すること。
悲しさの原因を考えるということは相手の話も聞き、その視点からも判断することで何がその状況下で正しいことなのかを導く判断材料を集めること。
しかしこういった方法論は正しくはありますが理論よりも感情が勝つことが多かったり、悲しいという感情に気付かないまま怒りに変化することもあるので人はいつまで経っても自分を律する心を持ち続けることが大事だと思っています。
何にせよそういった状況を生まないことが一番であり、そうするためのベストは相手に寄り添う気持ちと自分を律する意識が毎状況必要です。
しかし人は常に感情が揺れ動くのでハードルが高めの理想論です。
中庸という心のバランスを重視する素晴らしい思想がありますが、今もなお戦争が起こってしまう現状では今はまだあくまで理想論です。
怒りの感情は負のイメージで語ってきましたが時には怒りを糧にして目的を遂げる良い結果もたくさんあります。
怒りをプラスの起爆剤にして勇気を踏み出せたり行動に移せたりと負の面だけではない一面も持っていることも確かです。
これももしかしたらアンガーマネジメントの一つとして意図的に習得出来ればむしろ良い能力に成り得ますよね。
憤怒は七つの大罪メンバーなので負の面が強めな印象ですが、何事にも陰と陽があるようにアンガーコントロール次第ということです。
憤怒のポリへドロンマンはこういった怒りという感情に支配されないために自分を律する心の象徴としての彫刻です。
人類の歴史を見ても憤怒トラブルは今もなお繰り返され続けています。
憤怒を律することができる心は「忍耐」。
負の感情だけで判断することがないようにと忍耐を込めた戒めのアートオブジェです。
そしてもちろん私はSpecial Effectsの造形士でもありますのでコンセプトだけでなく見た目の良さにもかなり拘わりました。
造形的な視点では負の表情たちにはとても魅力的な形の美しさがあります。
憤怒のポリへドロンマンは稜線や面の位置、フォルムラインなどいろんな構成を試行錯誤して私なりのベストバランスを追求して完成させました。
七つの大罪シリーズ、まずは第1作目「ver 憤怒 Wrath」、是非お手に取ってフォルムの魅力をシェア出来ると嬉しいです。
6月10日10:00頃からこちらで販売をスタート致します。→→→Goushi’s ARTIFACTS
在庫はとりあえず10個ほどになっていますが、まだまだ受注販売可能ですのでショップの方へお問い合わせ頂ければと思います。(受注分は納期がかかりますのでご了承ください。)
インテリアオブジェに、または彫刻やデッサンに、いろんな使い方でお楽しみ下さい。
それでは皆様、良い造形ライフを!ーGoushiー
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