魔女の造形とその歴史を辿る

魔女

特殊メイク・特殊造形の世界では架空のキャラクターを作り出すことが多く、

その中でも需要が多いものの一つに「魔女」というキャラクターがあります。

魔女は他国のものでありますが、

現代では映画やゲームなどに頻繁に使われていて誰もが知るきっかけを得ます。

そして誰もが知るキャラクターというのはエンターテインメントには欠かせない要素の一つでもあります。

その中でも魔女というのは特に有名なキャラクターです。

 

魔女というと邪悪なイメージが強いです。

映画では「魔法にかけられて」や「マレフィセント」などデザインが格好良いですね。

個人的に頭に残っているのは「スペル」というギャグ映画に出てくる魔女のような老婆が好きです。

 

 

歴史的にみていくとセイラムの魔女や魔女狩りというワードがかなり有名ですね。

今記事ではまず魔女に関する簡単な歴史の紹介と、

魔女の造形を実際に作ってみたいと思います。

 

 

 

架空の魔女 と 実際の魔女

魔女

一般的にイメージする魔女のイメージというのはグリム童話に描かれた容姿が定着しているようです。

 

その容姿とは、

顔の主な特徴は、「老婆」、「鷲鼻」、「大きなホクロ」、「痩せこけている」、「バサバサの髪の毛」

服装の主な特徴は、「とんがり帽子」、「黒いローブ」、「尖った靴」、「魔法の箒」  …..等々

 

特に日本では魔女が絡む歴史はあまり無いので、童話というものから来たイメージが強いのではと思います。

 

魔女

 

一方で実際の魔女はどんなものだったのでしょうか。

 

 

魔女の起源について調べると、当時の政治的な負の面から生まれたものが多いように思えました。

有名な人物として「ジャンヌ・ダルク」という女性がいますね。

ジャンヌ・ダルクは政府に対しての不服従と異端者として魔女裁判で火刑に処せられたことで有名です。

 

他にも様々な対人トラブルの解決策として魔女と認定し、刑を課し事を収めるというような場合もあったそうです。

中には黒魔術や妖術を使用した等で刑を受けた者までいるとか。

当時は今よりも科学の進歩や宗教的概念が違うので今では理解し難い事柄です。

 

魔法書

 

しかし、実際の魔女の歴史がこれほど大きな出来事になっているのは、

ほんの一部の人だけは本当に魔法のような超能力があったのではないかと思わずにはいられません。

オカルト好きとして。笑

 

都市伝説ではありますが、

人間が効率よく楽な生活になればなるほど第六感的な部分が衰退していくという説があります。

当時は今と比べると生活にかなりの違いがありますので超能力の存在は現代よりも可能性は高いのかもしれないですね。

 

 

ということで、

実際の魔女というのは鷲鼻でもなく、老婆でもなく、魔法の箒を持っているとは限らないわけです。

 

魔女狩り

 

しかしエンターテインメントな世界では、容姿の特徴もキャラクターを作る上では欠かせません。

なので魔女の造形をする時はグリム童話などで描かれている、

一般的イメージも踏まえながらデザインをしていくとより良い魔女のキャラクターを作ることが出来ると思います。

もちろん魔女の容姿は用途にもよりますが。

 

 

骸骨

 

魔女の造形

ではこの辺りで魔女の造形に入っていきたいと思います。

 

彫刻台を新調したので本日からこれでいろいろと作っていきます。(手のひらサイズ用)

彫刻台

 

今回使用する粘土はこちら、

NSPクレイ ミディアム

NSP Clay

 

 

まずはざっくりした人間の骨格ベースになるように盛り付けていきます。

常に魔女の輪郭、特徴等が頭から離れないようにイメージを持ちながら彫刻していきます。

粘土

 

 

全体の大きさや顔のパーツバランスがざっくり決まったところで、

目元や鼻、口などを徐々に細く作っていきます。

 

 

マブタは一重なのか二重なのか、口は笑っているのか素なのかでもキャラクター性が変わってくるので、

いろいろと形を変更しては戻したり好みになるまで繰り返します。

この段階はまだあくまでもざっくりです。

彫刻

 

 

顔の雰囲気がある程度固まったら全体の骨格をしっかりと作っていきます。

もちろんパーツや表情だけでなく骨格もキャラクター性に関わってきますので、

自分が作りたい方向性の顔の資料を見ながら作っていくとスムーズですね。

魔女

 

 

徐々に全体的に形を細かくしていきます。

二重の形だけでもいろんな二重があるので、

実際の人の資料を見てマブタの被り方を観察しながら確定していきます。

 

シワはもう少し後でも良いのですがシワが入った時の雰囲気を見るためだけに付けました。

 

前回の段階で目の距離が近いと感じたので少し離すことにしました。

 

首の付け根部分の形の流れが無く、横からの見た目が良くなかったので、

首も少し作ることにしました。

NSP

 

 

全体の細かい凹凸とシワを彫刻して表面を整え、顔はほぼ出来上がりに近い状態になりました。

細かい凹凸を作る際に私は特に、

陰影の形と濃さ(メリハリ)のバランスにかなり神経を使いながら造形していきます。

この辺りは彫刻力というより、画力に近いものがあると感じています。

造形

 

彫刻

 

 

顔だけでは魔女のイメージが弱いので髪の毛も加えていきます。

 

 

 

一旦整えて綺麗にしましたが、

翌日見ると修正点がいくつか見つかりやり直します。

彫刻に終わりは無いですね。

粘土

 

 

髪の毛も輪郭をいろいろ試して決めていきます。

魔女

 

 

 

そして完成。

 

完成写真は携帯カメラではなく、一眼レフでちゃんと撮っておきます。

造形

 

NSP

 

彫刻

 

粘土

 

顔

もう現在は型取りが終わっていますが、

1日経って見た時、まだ修正したいところが浮き出てきます・・・。

ルールが無ければ彫刻に終わりは無いですね。

 

 

今回の魔女の造形はオーソドックスな形ではなく、マニアックで変化球な趣向で作ってみました。

なので一般的な直球の魔女のイメージより少し薄くなりましたが、魔女の類にはなっているかと思います。

 

グリム童話などで浸透している特徴で、鷲鼻、長い顎、大きなホクロ、老婆の4点を取り入れて造形してみました。

特徴は同じでも骨格やバランスなどの調整で様々な魔女の造形が出来そうですね。

 

 

ちなみにどストレートな魔女の造形は映画「魔法にかけられて」に登場する特殊メイクが参考になります。

素晴らしい造形と特殊メイクだと思います。

リックベイカー

参照 IMATS Twitter

 

 

今回の彫刻はしっかり仕上げたので型取りもしておきます。

時間の関係で囲いは簡単なものになってますが。

型取り

余計な厚みがあると脱型しづらくなるためなるべく斜めに囲っていきます。

 

そしてそのままシリコンを丁寧に注ぎ込んで型取り完了です。

シリコンはKDKトレーディングさんの「IS-CRN40」を使用しています。

顔のシワなど細かい部分が多いのでシリコン溜め込み式の場合は真空脱泡器を使用するのが良いですね。

シリコン

 

そして、グレー色のレジンキャストで成形です。

今回の造形は塗装はまたの機会に回して次の造形プランに移ります。

sculpture

 

sculpture

 

sculpture

 

こちらの魔女の成形品も造形グッズの方で販売しております。

ご興味ある方は是非寄ってみて下さい(^^

造形グッズ ➡︎ Goushi Arts 造形グッズ回廊

 

 

最後に、絶対に会いたくない魔女の写真を載せておきます。

 

witch

 

あ、、、自分で作った魔女も会いたくない系ですね。。。

 

それでは、良い造形ライフを! ーGoushiー

魔女

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