造形をやっていく中で ヤスリ 等を使って「削る」「磨く」という作業は頻繁にある工程の一つです。
特にハードサーフェース系の造形物だと粘土での彫刻には限界がありますので、
成形後に表面を紙 ヤスリ などで綺麗に整えたりしていきます。
紙 ヤスリ といっても様々な種類があり、造形物の形に応じて使い分けていくことが大事になります。
紙 ヤスリ を選ぶ際のポイントは2つあり、それぞれの特性をしっかりと理解した上で使用していきます。
番手
1つ目はまず、「番手」と呼ばれる目の粗さの数表記になります。
紙 ヤスリ の裏面に数字で記載されています。
とにかくガッツリ削り込みたい時は番手の数が少ないものに、
表面の形をあまり崩さない程度で整えていきたい時は番手の数が大きいものを選んでいきます。
私の場合、ガッツリ削りたいときは番手60〜180くらいのものをよく使用しています。
表面をツルツルにしていきたい場合は、
数が少ない番手から磨いていき、徐々に番手の数を上げて整えていくと良いです。
例えば、120番 ➡︎ 240番 ➡︎ 400番 ➡︎ 800番 ➡︎ 1200番 ……..等
素材
紙 ヤスリ には研磨面と裏面の紙部分がありますが、
この裏面の素材にはいろんな種類があります。
番手の選択も大事なのですがこの裏面の素材選びに失敗すると、
目的の表面仕上げに上手く辿り着けないことがあるので注意が必要です。
それではどんなタイプのものがあるのか紹介していきたいと思います。
紙ヤスリ
![紙ヤスリ](https://goushiart.jp/wp-content/uploads/2019/02/image6.jpeg)
名前の通り、裏面が紙で出来ている ヤスリ です。
ホームセンター等で一般的に販売されているタイプですね。
紙 ヤスリ の特徴は紙の質が固めに出来ているので平坦な面を磨いていく場合にとても有効です。
紙が固い分曲げたりすると紙が割れてしまいますので、曲面を磨く場合には不向きになります。
基本的には平たい面を磨く際に使用する ヤスリ といった感じです。
耐水ペーパー
![耐水ペーパー](https://goushiart.jp/wp-content/uploads/2019/02/image5.jpeg)
裏面は紙で出来ていますが、名前の通り耐水性のある ヤスリ です。
水を付けて磨くことを「水研ぎ」と言い、
水研ぎをすることによっていくつかの利点が生まれます。
1:目詰まりしづらい
2:削った粉が飛散しない
3:熱発生を抑制
4:研磨傷がマイルドになる
と、明らかに普通の紙 ヤスリ よりも利点が多いです。
必ずしも水を使用しないといけないわけではないので、
普段は基本的に耐水ペーパーをよく使用しています。
スーパーアシレックス シリーズ
![スーパーアシレックス](https://goushiart.jp/wp-content/uploads/2019/02/image3.jpeg)
スーパーアシレックスは裏面が布で出来ている ヤスリ になります。
布で出来ていることでいろんな形に変形させて磨くことが出来ます。
曲面を磨く際には打って付けの ヤスリ です。
スーパーアシレックスの一番の魅力は寿命がとにかく長い!ということにあります。
ヤスリ というものは削り続けていると目詰まりが起こりますが、
スーパーアシレックスの場合エアダスターなどで飛ばしてあげると新品に近い状態まで復活してくれます。
普段は机の角等に叩きつけたりして目詰まりを解消させていますね。
もちろん削るものにもよるのですが、他の ヤスリ に比べて遥かに寿命が長く使用できます。
さらに布の部分がベルクロ素材に合体させて磨くことも出来るので色々と活躍してくれます。
スーパーバフレックス
番手が3000番というかなり細か目のものもあります。
この番手になると最終仕上げ用です。
![バフ](https://goushiart.jp/wp-content/uploads/2019/02/image4.jpeg)
3M スポンジ研磨材
![3M](https://goushiart.jp/wp-content/uploads/2019/02/image2.jpeg)
有名なメーカー3Mから出ている、裏面がスポンジ生地で出来た ヤスリ です。
こちらも主に曲面を磨く際にとても有効的です。
番手表示は粗い順に、
MEDIUM、FINE、SUPERFINE、ULTRAFINE、MICROFINEとなっています。
スポンジの弾力性がありますので表面の形をあまり崩さずに整えていくことが出来る ヤスリ です。
弾力性があるので傷や凹凸を積極的に取り除く場合にはあまり向いていません。
スポンジの厚みがあるので持ちやすく、作業性に優れています。
今まで使用した感じでは研磨材が取れやすく、寿命が少し短めな印象があります。
スポンジ生地なので接着力が弱くなるため、仕方のない部分ではありますね。
ですがこの ヤスリ もレギュラー入りする一つとなっています。
トレカット
![トレカット](https://goushiart.jp/wp-content/uploads/2019/02/f7573314ba1a62625f95b587540172db.jpeg)
トレカットは裏面が粘着シートになっている目が細かめの ヤスリ です。
この ヤスリ の用途は主に表面に出来たゴミ、ツブ、液ダレ等の範囲の狭い細かい凹凸の除去に対応しています。
磨きやクリアコーティング後の最終確認としてよく使用しています。
素材自体はある程度柔軟性がありつつもコシがあるので、平面、曲面どちらにも使用出来ます。
磨いていく際は裏の粘着部と指を貼り合せることで作業性に優れます。
専用のトレブロックに貼り合わせることで様々な面にも対応出来るので便利な ヤスリ です。
以上が普段からよく使用している紙 ヤスリ の種類になります。
他にもまだまだいろんな紙 ヤスリ の種類がありますので、
今後も試しながら作業効率を上げていきたいですね。
新しい ヤスリ を見つけたときはまたこのコンテンツに追記していきたいと思います。
紙 ヤスリ の基本的な選択基準。
平面、またはそれに近い形を整える場合には、「紙 ヤスリ 」などの裏面素材に固さがあるものを選ぶ。
曲面を整えていく場合には、裏面素材に弾力性、柔軟性があるものを選ぶ。
余計な凹凸が激しい場合には ヤスリ に固さがあり、番手が粗目のものを選ぶ。
表面を綺麗に仕上げる場合は、番手を粗目から細か目に変え、傷の具合を見ながら整えていく。
紙 ヤスリ の磨き方
最後に、番手と素材の他に大事な「磨き方」を書いて終わりたいと思います。
紙 ヤスリ には磨き方があり、あまり考えずに磨いていくと余計に傷が残ったり、
いつまでも凹凸が消えない場合があります。
基本的な磨き方としては、細かく円を描くようにして面に沿わせながら磨いていくと良いです。
円を描くことで研磨材の傷が幾十にも重なることになり、表面に均一的な研磨をすることが出来ます。
一方向からだけの磨きは直線的な傷を付けているだけなので注意が必要です。
形にはいろんな凹凸具合がありますので、
磨き方は必ずしも統一しなければいけないということはありませんが、
磨き跡に注目することで次の研磨ステップへの適切な対応が見えてくるのです。
それでは、良い造形ライフを! ーGoushiー
コメントを残す