特殊造形というのは、
世の中にある様々な素材を使って目的の形に組み上げていくという技術です。
素材はとにかく無限にあり、経験を積んでいくことで点と点が繋がり、
避けていたり省いたりしていた素材も後々使えるようになったりもします。
特殊造形は映像用と演技用、展示用等、色々な目的によっても、
素材の選択が重要であり、ほとんどは異素材同士を組み合わせることが多いです。
全てではないのですが異素材を組み合わせるということはその両素材を合体する作業工程が出てきます。
そこで使用するものは一般にも使用するいわゆる接着剤というものになります。
接着剤といっても様々なタイプがありますので、素材ごとに合わせて選択し使用していきます。
今回は普段よく使用している接着剤をいくつかご紹介していきたいと思います。
瞬間接着剤
まずは接着剤と言えばコレ。
硬化時間が早いという特徴がある瞬間接着剤です。
大きなくくりでは瞬間接着剤ですが、
製造メーカーも多数ありそれぞれによってさらに特徴があり商品名も異なります。
こちらはアルテコというメーカーです、
メーカーによってその接着剤の特徴があるので素材によって使い分けたりしています。
瞬間接着剤と名前がついていますが、
実際には対象の素材や付けた接着剤の厚みにより、固まるスピードは異なります。
木材や生地に使用する場合、硬化スピードがかなり早いので要注意です。
瞬間接着剤は基本的には何にでも有効な万能タイプなのでかなり使用頻度は高いですね。
オプションでこのノズルパーツを付けると細かい箇所にも使いやすくなります。
ゼリー状の瞬間接着剤
特殊造形ではこのゼリー状が本当に活躍しています。
瞬間接着剤の強度は小さいものに使用する分には問題ありませんが、
ある程度のサイズになった造形の場合、強度が足りなくなってしまいます。
最終には樹脂等の補強作業で強度を高めたりしますが、
色々試行錯誤している時点でも仮止めの工程ではこのゼリー状接着剤がよく活躍します。
仮止めは途中の工程ですが最終的なバランスを見るために大事な作業になります。
そこでもう一つ活躍する、瞬間接着剤の硬化促進スプレー剤というものがあります。
促進スプレーを使うことで瞬間接着剤の硬化スピードをさらに早めることができ、作業スピードも早めていきます。
使用方法は接着剤を塗る前にまずスプレーをしておき接着剤を付ける。
もしくは、塗った後にスプレーを軽く噴きかける。(安全)
エポキシ系 接着剤 クイック5
次はエポキシ系接着剤のクイック5というものになります。
AとBの2液を1:1で混ぜ合わせることで固まるタイプです。
名前通り混ぜてから5分後に固まり始めるので作業はスピーディーに。
エポキシ系 接着剤 クイックメンダー
クイックメンダーはクイック5と比べて、粘度が高くペーストに近い接着剤です。
使用方法はクイック5と同じで硬化時間も同じになります。
使い分けとしてはクイック5は液状に近いので薄く塗る際に向いています。
クイックメンダーの方は接着面に隙間などがある場合や、接着剤の盛り付けが必要な時に向いています。
このエポキシタイプは固まった後は少しフレキシブルさがあり、
そこまで硬さがあるものはありませんが、接着力や粘着力に関しては強い接着剤です。
エポキシ系 接着剤 ハイスピードエポ
5分硬化タイプの他に1分で硬化し始めるタイプもあります。
こちらはクイック5の粘度と似ていて、作業を急いでいる時に使用します。
クイックスチール ペーストタイプ
よく使用する接着剤の中で一番強度に安心感のあるものがこちら。
パッケージと表記が違いますが、
クイックスチールのペーストタイプです。
クイックスチールは固まった後の状態はかなりの硬度があります。
そしてプラスチックや木材はもちろん、金属同士やコンクリート、石材などにも接着が可能な優れものです。
彫刻で使うツールにも必ず使っていて、ツールの寿命がぐんと伸びました。
クイックスチールの硬化は5分後から固まり始めます。
日常でもファスナーのスライダーパーツが破損した時、
このクイックスチールで補強することで簡単に修理出来てしまいます。
実際3年ほど経ちますが接着剤の剥がれも欠けもないので本当に便利な一品ですね。
ちなみにパテ状タイプもあるので用途に合わせて使い分けが出来ます。
接着剤の注意点
この他にも様々なタイプの接着剤が存在しますが、これらだけでも十分に活躍してくれます。
接着剤の基本的な選び方は、
◉どんなものに接着出来るのかをまず確認する
(表記のあるもの以外も接着可能なものがあるので色々試す必要もあります。)
◉接着剤の粘度を確認する
液状=垂れる、気泡が入りにくい
ペースト状=垂れにくい、気泡に気を付ける、コントロールしやすい
パテ状=垂れない、完全にコントロール可能
◉接着剤の硬化速度を確認する
◉硬化後の硬度を確認する
硬度が高い(カチカチ)=衝撃に弱い、クイックスチールは問題無し
硬化後少し弾力がある(フレキシブル)=衝撃を吸収する、表面加工には向いていない
それと、
接着剤は基本的に完全に融合させるものではなく、素材と素材の間を取り持つ役目なだけなので、
あまり接着強度に頼りすぎない意識も大事です。
それにしても私のクイックスチールへの信頼度は高いです。
以上、普段レギュラー入りしている接着剤シリーズでした!
また新しいものが増えたらここに追加していこうと思います。
それでは、良い造形ライフを! ーGoushiー
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