格好良いフォルムを目で見ているとして、
それがなぜ格好良いと感じてしまうのか、
よく考えを巡らせます。
幼少期に印象を受けた記憶の格好良さなのか、、、
物理的現象と同じような、単なる本能なのか、、、
それともまだ発見されていない目に見えない要素があるのか。
皆さんはどう思いますか?
ここを発見出来るとしたならば、
格好良いフォルムを作る方程式に近いものを共有することが出来そうです。
もちろん格好良さは人それぞれで違うアンテナを持っていると思います。
どれが万人共通の格好良さなのかも決めにくいですよね。
ですがキャラクターフォルムにおいて万人共通で格好良く見えるものは確かに存在すると思います。
それは個性を取り払ったリアリティーです。
(グロテスク要素は除きます)
キャラクターを作るときは誰もが自然と個性が入ってしまいますが、
その個性を取り払った究極のリアルは「無個性」な格好良さがあると仮定します。
それが可能なのかは抜きとして。
しかし、究極のリアルによる格好良さはもしかするとわかる人にしかわからないレベルのものの場合もあります。
その逆にある程度リアリティーを確保しつつ、
個性、演出というフィクションフォルムを加えることで格好良さに極端差が出来、
分かりやすい格好良さを作ることが出来ます。
極端差なので下手にいじると格好悪い方へ行くこともあります。
これはビギナーが陥りやすい典型で、
まだ知識量が少ないためイメージだけで作り上げてしまう結果、
フィクションフォルムの割合が多すぎることが原因にあります。
フィクションフォルムはどんな割合で追加するのか、
もしくは種類の違うフィクションをいくつ追加するのかで作り上げていくイメージです。
特殊造形の業界ではリアリティーを突き詰める作業は必須です。
しかしキャラクター性の強いものを作る場合にはこのリアリティーの割合を意図的に下げる必要があります。
リアルを突き詰めてもそれは無個性なのでキャラクター性は出ません。というよりも目的の違うものです。
キャラクター性を出すにはどこかにフィクションフォルムを入れる必要性がありますが、
先にリアリティー技術を習得してしまうとリアリティー濃度を下げてデザインすることがなかなか難しくなることが多々あります。
これはリアリティーのジレンマとでも言うべきでしょうか笑
あり得ない形であるフィクションフォルムに対してはなかなか思い切れないことが原因でメンタルブロックがかかってしまいます。
私も含めて周りにいるスカルプターもこの症状に陥る人が多く、
無難なフォルムの変形、誇張は出来ますがこれを使えるスカルプターは沢山いるという現実もあり。
フィクションフォルムが上手くいけばブランド作りに大いに効果があるので作品作りには使いたい手法ですよね。
個人的にはリアルの割合が多く、フィクションフォルムが2、3割のあたりが好きです。
フィクションフォルムのキーポイントはやはり曲線美だと思っています。
全体の輪郭や一個一個のパーツの輪郭、この稜線ラインの流し方を意識しながら・・・、
と言っても出来る人はできるけどまだ出来ない人にはどう説明するのか、これはまた今後の課題です。
二次元で考えるならば漫画やアメコミなどの格好良さを演出しているあのラインは立体の造形にも必ず役立ちます。
もしかすると先に二次元で格好良さラインの特徴を掴んでからの方が立体も分かりやすい可能性もあります。
曲線美を見てなぜ人は美しいと感じるのか、この辺りを紐解ける日が来ることを願います。
それでは、良い造形ライフを! ーGoushiー
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